2023年10月31日

血圧が高めの方のなかには「チョコレートを食べると低血圧になれるの？」と疑問に感じている方もいるでしょう。

そこで今回は、チョコレートと低血圧についてご紹介します。
朝チョコレートがおすすめと言われる理由や食べる際の注意点などを知りたい方は、本記事を参考にしてください。

チョコレートには低血圧効果がある

血圧を気にする方のなかには「チョコレートを食べると血圧が上がる」と考えている方もいるのではないでしょうか。
実は、チョコレートには血圧の上昇を抑えるはたらきがあります。（※1）
なかには血圧が高めな方ほど、チョコレートを食べた際の血圧低下量が多かった研究結果の報告も。（※2）
甘いものを食べて健康になれるのは嬉しいですね。
チョコレートには、そのほかにもからだにとって良い効果がたくさんあります。

チョコレートの嬉しい効果

チョコレートを食べて得られるのは、血圧の低下作用だけではありません。
チョコレートの嬉しい効果は、主に以下のとおりです。

・血糖の上昇抑制
・LDLコレステロールの上昇抑制
・LDLコレステロールの酸化抑制

上記は動物実験による結果ですが、動脈硬化の発症抑制に繋がった報告があります。
また、疫学調査により脳卒中の死亡リスクが低下したなどの報告も。

心疾患の発症遅延へとつながるとも考えられており、日本ではチョコレートを週平均37.5g食べている女性は脳卒中の死亡リスクが低いと報告されています。（※1）

理想のチョコレートの取り入れ方と選び方

チョコレートは、取り入れ方を工夫すれば、より健康効果を発揮するでしょう。
理想のチョコレートの取り入れ方と選び方は、以下のとおりです。

・朝チョコレートを食べる
・カカオ含有量の多いチョコレートを選ぶ
・GABA成分入りのチョコレートを選ぶ

それぞれについて詳しく説明します。

➀朝チョコレートを食べる

朝チョコレートを食べて得られる嬉しい効果は、以下のとおりです。

・頭がスッキリする
・便秘が改善する
・老化を防止する

チョコレートの糖分は脳のエネルギーとなります。また、カフェインも含まれており、集中力の高まりや基礎代謝の向上につながるでしょう。
食物繊維も含まれているため、朝食べれば腸を刺激し活性化してくれます。
そのほかにも、起床から1時間以内にチョコレートを食べると脂肪がより燃焼され、空腹時血糖の上昇も抑えられたなどの報告もあります。（※3）

カカオ含有量の多いチョコレートを選ぶ

高カカオのチョコにはカカオポリフェノールが多く含まれています。カカオポリフェノールは血圧低下に関わる重要な成分です。
血管の内部が炎症により狭くなっている場合、赤血球が通れず高血圧に繋がります。カカオポリフェノールが作用すると炎症を抑えてくれるため、血管を広げ血圧を下げてくれるのです。（※2）

また、カカオポリフェノールには、LDLコレステロールの低下やHDLコレステロールの上昇なども期待でき、脂質代謝の改善作用も認められています（※1）

アンチエイジング効果も期待できるため、若々しい肌づくりにも欠かせない成分です。
高カカオチョコレートは、カカオの含有量が70％以上のものを指します。

GABA成分入りのチョコレートを選ぶ

血圧降下には、GABA成分も欠かせません。
GABAは、交感神経の興奮を鎮めるはたらきをもち、血管の収縮を防ぎ血流を促進させるアミノ酸の1種です。
GABA成分による血圧降下作用は、高血圧の方に期待できるといった報告が多く見られています。（※4）

「GABA成分配合」など表記があるかパッケージを確認してみましょう。

チョコレートを食べる際の注意点

チョコレートを食べる際は、以下の点に注意しましょう。

・低血圧時はチョコレートを控える
・食べ過ぎに注意する

それぞれについて詳しく説明します。

低血圧時はチョコレートを控える

低血圧の症状がみられる場合は、高カカオ配合やGABAの含有量が多いと謳っているチョコレートの摂取は控たほうが安心です。
チョコレートに配合されているカカオポリフェノールやGABAには降圧作用があるため、低血圧時に食べると、より血圧の低下が起こるおそれがあります。
健康時の影響については報告されていませんが、低血圧の症状が心配な場合は、自己判断せずかかりつけの医師に相談してください。

食べ過ぎに注意する

チョコを食べ過ぎると、以下の症状を発症するおそれがあります。

・糖尿病
・肌荒れ
・消化不良

チョコレートには脂肪分が多く含まれており、カロリーも高いです。
食べ過ぎは体重増加につながる危険もあるため、気をつけましょう。

生活習慣病改善などの観点から、1日に5～10gほどのビターチョコレートを毎日食べ続けるのが良いとされています。
上記はチョコレート1～2片ほどの量を表し、10g当たり約60kcalです。（※5）

まとめ

チョコレートには、低血圧効果があります。
血圧だけでなく、血糖やLDLコレステロールの上昇抑制も期待でき、チョコレートの適度な摂取はからだにとってさまざまな良い効果をもたらすでしょう。

よりチョコレートの効果を得るためには、朝チョコレートを食べたりカカオ含有量の多いチョコレートを選ぶのがおすすめです。食べ過ぎは糖尿病リスクなどにつながるので注意しましょう。
チョコレートによる低血圧効果について知りたい方は、本記事を参考にしてください。

（※1）参考：夏目みどり　カカオポリフェノールの包括的研究　カカオは神様の食べ物？

（※2）参考：みんなの健康チョコライフ　チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究

（※3）参考：Aol.　Eating chocokate in the morning ‘could help burn body fat’

（※4）参考：佐々木泰弘・河野元信　ギャバ（GABA）の効能と有効摂取量に関する文献的考察

（※5）参考：日本チョコレートココア協会　チョコレート・ココアは1日にどのくらい食べると健康によいですか？